理系新築BLOG

理系が新築注文住宅を建てるためのメモ的なBLOG

土地調査1.5 おまけ.縄文海進

横浜市港北区が意外に土地が低いという事を知って思い出したが、港北区には貝塚という地名があり、実際に貝塚があった。これは縄文時代にここまで海があり、この海面上昇は「縄文海進」(または有楽町海進、完新世海進、後氷期海進)と呼ばれる。海面は5m高く、平均気温は1-2度高かった。 神奈川県の縄文海進については、「神奈川県立生命の星・地球博物館 2004」に詳しい。下図参照。

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縄文海進

横浜付近の縄文海進については、横浜市歴史博物館「縄文海進について」が詳しい。

土地の調査1.5 おまけ.標高

横浜市港北区は中区出身の自分から見るとかなり内陸な印象だったけど、意外に土地が低い。いくつかの駅について標高を調べてみると次のようになる。

路線 駅名 標高
東横線 日吉駅 30m
東横線 綱島駅 7m
市営地下鉄 新羽駅 4m
市営地下鉄 仲町台駅 38m
市営地下鉄 センター南駅 38m

ちなみに2019年10月の台風19号で浸水被害を受けた武蔵小杉(川崎市中原区)は駅が標高8m、タワーマンションもほぼ同じらしい。標高の低さという視点を持って横浜市行政地図情報提供システム | トップのわいわい防災マップを見ると、洪水はほぼ相関している。まあ、当然か。鶴見川水系については想定最大規模792mm/2日、計画規模405mm/2日という事。台風19号では横浜国際総合競技場付近の多目的遊水地が効果を果たしている印象。

wwwm.city.yokohama.lg.jp

土地の調査1.5 地盤調査の会社

ボーリングについて色々調べていて、すごく良質の情報を出している会社、住宅地盤の情報と話題 : ジオテック株式会社を見つけた。下の様に各地域の土地の形成と地盤の特徴を教えてくれる。南関東の情報もココからかなり揃っている。地学的にもかなり興味深い内容ばかり。高校の地学の授業もこういう即戦力的な内容を教えておいてくれればもうちょっと勉強したのだがなあ。

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ジオテック社港北区の地盤

www.jiban.co.jp

土地の調査2 防災マップ

土地の調査の続き、その2で防災マップから読み取る。前回と同じ横浜市横浜市行政地図情報提供システム | トップの「わいわい防災マップ」に次の情報がある。地震では、それぞれに推定震度、液状化危険度、消失軒数がある。横浜では大まかには元禄型>東京湾北部>南海トラフの順で被害が大きそう。同一地域で比べると震源からの距離はほぼ同じなので、地域での震度差は地盤の強弱によるものと考えられる。前に書いた地盤のボーリングとほぼ同じような印象。

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わいわい防災マップ(元禄型、中区)

土砂災害は、意外な場所にあったりするがほとんどは補修されてない小さな崖のようなもの。 津波については神奈川県で「津波浸水想定図」 - 神奈川県ホームページを出しているので、こちらの方も参考になる。地震ごとに多くのシミュレーションされているようで、情報としてもっと見やすくまとめればいいのにと思う。

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神奈川県津波浸水想定図

wwwm.city.yokohama.lg.jp

土地の調査1 市の地盤調査(ボーリング)

土地についてはほぼ決まっているのだけど、興味あるので現在分かる限りの調査をしてみる。方法的には次のようなものか。

  • (1) ボーリングによる地盤情報
  • (2) 防災マップ情報
  • (3) 古地図
  • (4) 盛土造成地マップ

今回は(1)のボーリングによる地盤情報。 横浜市では横浜市行政地図情報提供システム | トップからの「地盤情報VIEW」で次のような土質柱状図が分かる。

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土質柱状図

もちろん、目的の土地のピンポイントのところはないだろうけど、地質的に似た周辺を選べ地形全体を見ればかなり分かる。高校の時の地学の知識が役に立ちそう。土質柱状図の見方は大まかには東京都土木技術支援・人材育成センター の「柱状図の見方」を参考にした。

目的の土地は鶴見川などの氾濫低地よりは多少高台で、関東ローム層が2メートル程度。N値が3-4程度、その下のシルトの層はかなり軟弱。全体に、戦前まで水田だった低地よりはマシだけど、現在住んでる多摩地方に比べるとかなり弱い地盤な印象。もっと弱い地盤の場所はいくらでもあるが。